本記事では手の中に物を隠す技術「パーム」の一種で、手のひら側に複数のコインを隠すことができるテクニック「ラモントグリップ」のやり方を解説しています。
ラモントグリップを使うと手に何も持っていないような自然な状態に保ちつつ、複数枚のコインを隠し持つことができます。
ラモントグリップはダウンズパームに似ていますがコインを保持する角度が異なります。
ダウンズパームの持つ「手のひら側から見てもコインが見えない」というメリットを犠牲にして複数枚のコインを隠すことができるようになったパームです。
2枚程度ならともかく、5枚以上のコインを隠し持つことができるパームはそう多くありません。
慣れれば10枚程度のコインでもパームすることができるので、習得すれば何もないところから大量のコインを取り出すコインプロダクションなどに活躍します。
ラモントグリップとは
ラモントグリップとは親指の付け根と手のひらの間にコインを垂直に立てて挟み、保持するパームです。
コインを保持する位置はダウンズパームと同じですが、コインの角度が異なるためコインは親指の陰には隠れません。
手はリラックスした状態になっており、手の甲側から見るとコインを持っているようには見えません。
4本の指は比較的自由に動かすことができます。
またラモントグリップは複数枚のコインを同時に隠し持つことも可能です。
10枚程度の枚数までなら手の形を変えることなく保持することが可能です。
ラモントグリップのやり方
人差し指。中指、薬指の3本の指でコインを挟んで持ちます。
指先を曲げていき、握りこぶしを作るような形にします。
同時に親指は下の方へ伸ばし、股の部分を開きます。
手を握り込んだらコインの片方の縁を親指の付け根へ押し付けます。
中指をコインから抜き、人差し指と薬指でコインのもう片方の縁も手のひらへ押し付けます。
親指を閉じてコインを挟み、他の指先を伸ばせばラモントグリップの完成です。
ラモントグリップのコツ
複数枚挟む場合はコイン同士の当たる音に注意
コインを複数枚隠して保つ場合は、コイン同士が擦れたりあたったりして音がでないよう細心の注意を払いましょう。
ステージマジックならともかく、クロースアップの距離で見せる場合は音が聞こえてしまいやすいので難易度が上がります。
練習の際もまずは1枚のコインで形を完全にマスターしてから2枚、3枚と枚数を増やしていくと良いでしょう。
複数枚のコインを消失させてラモントグリップに移行する方法
複数枚のコインの消失現象は1枚のコインよりも格段にインパクトが強いです。
複数枚のコインバニッシュを行い、そのままラモントグリップに移行するので最も簡単な方法は「トス・バニッシュ」です。
すなわち人差し指、中指、薬指で挟んだ複数枚のコインを握り込んだように見せかけつつラモントグリップへ移行し、そのままトスバニッシュを行って左手に移したように見せかけます。
手軽に複数枚のコインを消失させることができるので是非試してみてください。
複数枚挟んだコインを1枚ずつ取り出す方法
複数枚のコインでラモントグリップを行ってまず困るのが「どうやってコインを取り出すのか」です。
全てのコインをまとめて取り出す分には難しくありませんが、1枚ずつ取り出すとなると少々骨が折れます。
ラモントグリップを行った状態で中指を曲げ、保持されている一番上のコインの縁をめくるようにして分けます。
続いて人差し指をグッと曲げ、めくったコインを人差し指と中指の指先で挟んで伸ばせばOKです。
他のコインはラモントグリップに保持したままで、1枚のコインだけを指先に出現させることができます。
まとめ
本記事ではラモントグリップのやり方について解説しました。
ラモントグリップは複数枚のコインをパームする方法としては自由度が非常に高く最善の選択肢と言えます。
1枚ずつコインを取り出すことができるようになればそれだけでも十分プロダクションマジックとして通用するので非常に使い勝手は良いでしょう。
とはいえ複数枚のコインの扱い自体、難易度は高めなので根気よく練習しましょう。