本記事では手に握り込んだコインを消してしまうテクニック、リテンションバニッシュのやり方を解説しています。
リテンションバニッシュはコインマジックにおいて基本的なコインバニッシュで、様々なマジックに使われるテクニックです。
リテンションバニッシュの特徴はコインの残像を残すことで「確かに手の中にコインを握った」と強く印象づけることができる点です。
リテンションバニッシュは他のコインバニッシュと比較しても強烈なインパクトを相手に与えることができます。
一見単純なテクニックですが奥は深く、タイミングをしっかりと掴まなければ最大の効果は得られません。
本記事ではリテンションバニッシュの動きを細かく解説しているので参考にしながら練習してみてください。
リテンションバニッシュとは
リテンションバニッシュは指先につまんだコインをもう片方の手に握り込み、そのまま消してしまうテクニックです。
実際の動きについては下の動画をご覧ください。
言ってしまうと「握ったように見せて握っていない」ことがミソなわけですが、いかに握ったように見せるかがリテンションバニッシュのコツでもあります。
手の形を変えないことはもちろん、コインを直前まで見せること、タイミングなど練習が必要なテクニックです。
まずは次の章でリテンションバニッシュのやり方をしっかりマスターしてみてください。
リテンションバニッシュのやり方
右手の人差し指、親指でコインの端をつまむようにして持ち、手の甲側を向けて観客に示します。
この時中指は軽く曲げられた状態になっています。
左手を開き、何も持っていないことを示します。
右手を開いた手の上に持ってきてコインを手のひらの上に置くような仕草をします。
コインはできるだけ左手の奥の方、親指の付け根辺りに持っていきます。
コインを包むようにして左手を握りはじめますが、指が半分ほど曲がって観客の目からコインが隠れた瞬間に右手の中指でコインを巻き込んで右手の中に入れてしまいます。
すなわち中指を少し伸ばしてコインの表面を捉え、曲げることによりコインを半回転させつつ一緒に巻き込んでしまいます。
左手を外して右手だけにすると下の写真のような動きになっています。
中指を少し伸ばし、コインの表面を引っ掛けて巻き込みながら曲げていきます。
巻き込んだコインは中指に乗せて手の中に引き込んで隠します。
そのまま左手は握り込み、同時に右手を手の中から引き抜きます。
右手のコインは死角になっており観客からは見えないので、単にコインを左手で握り込んだように見えます。
あとはおまじないを掛けるような仕草をした後左手を開けばコインが消えてしまったように見えます。
実演動画ではおまじないをかけながらコインをクラシックパームの位置に移動させています。
右手をずっと握ったままだとコインが消えた後に怪しまれるので、左手に注目が集まっているうちにパームしてしまうのがベターです。
リテンションバニッシュのコツ
右手の形を極力変えない
リテンションバニッシュで「ただコインを握っただけ」に見せるためには、コインを握り込む前と後で右手の形が一切変わらないようにすることが重要です。
つまり、コインをつまんでいる右手の形とコインが無くなって握りこぶしから出てくる右手の形が全く同じになるようにします。
また右手のコインを巻き込む動作は握られていく左手の中で行うので、必要最小限の小さな動きになるようにしましょう。
コインの残像を残すことを意識する
リテンションバニッシュで観客に強くインパクトを与えるには「握られていくコインの残像を残す」ことが重要です。
照明がコインに反射して観客から見てコインが光るような場所で演じると反射による残像が残りやすく、しっかり握り込んだような錯覚が起きます。
また極力コインの端の方を持つことで、見えるコインの面積が大きくなり残像を残しやすくなります。
コインが隠れる時間を短くする
コインが左手に握り込まれて観客に見えなくなってから右手を引き抜くまでの間をできるだけ短くすることでより不思議に見えます。
しかしコインが隠れる時間を短くすることは、コインを右手に引き込む時間を短くすることと同じなのでしっかりとした練習が必要です。
コインが隠れたタイミングで必要最小限の動きで右手に引き込み、すぐに右手を左手から引き抜く動きを鏡を見ながら何度も練習してみてください。
まとめ
本記事ではリテンションバニッシュのやり方について解説しました。
リテンションバニッシュは上手く行えば数あるコインバニッシュの中でも特に強いインパクトを観客に与えることができるテクニックです。
角度にはそれほど強くないので使える場面は限られますが、条件さえ揃えば非常に優秀なコインバニッシュとなります。
タイミングを掴むためにはある程度の練習が必須なので、しっかり練習して演じてみてください。