現象
難易度 | ★★★☆☆ |
汎用性 | ★★☆☆☆ |
インパクト | ★★★★☆ |
現象
マジシャンは1枚のカードを取り出し、端の方に穴あけパンチで小さな穴を空けます。
空いた穴を指で押さえ、ゆっくりと指を滑らせるとなんと穴がカードの真ん中の方へ移動してしまいます!
再度穴を指で押さえて滑らせると最終的には逆側の端へ穴が移動します。
間違いなく穴は空いており、大変不思議です。
実演
やや準備は大変で、演じる場所にも気を使いますがハマればウケること間違い無いマジックです。
クロースアップの距離で見せることができるのでバーなどでマジックをする方にはピッタリハマります。
練習もそれほどいらないので是非普段のマジックに取り入れてみてください。
マジック解説
準備
一枚のカードと黒い紙、穴あけパンチを用意します。
また、演技は必ずクロースアップの上で行う必要があります。
穴あけパンチを用いてカードの右上と右下の2箇所に穴を空けますが、完全に穴を空けずに1割程度つながった状態になるようにします。
穴あけパンチの種類や形状にもよりますが、力を調節しながら穴を空けることでこのような穴を作ることができます。
つながり具合はカッターなども使って上手く調整します。
つながっている部分を軸に蓋のように開閉することで、穴が空いたりふさがったりを自由に操ることができます。
模様が多い裏面側からは蓋を閉じると線もほとんど見えず、穴がふさがったように見えます。
穴は両方共閉じた状態にしておきます。
黒い紙に穴あけパンチを使い、小さな丸い紙を切り出します。
丸い黒紙はテーブル上ですぐ取れるよう物陰にさり気なく置いておきます。
演技
準備しておいた仕掛けのあるカードを裏向きで取り出し、一瞬だけ表面を観客に見せます。
表面は白いため、よく見せると穴の空いている跡が見えてしまうので一瞬改めるだけにします。
穴あけパンチを右手に取り、観客に示して見せます。
観客が穴あけパンチに注目している隙に左手の親指と人差指で穴を押し、蓋を空けておきます。
空いた穴は親指で押さえて隠しておきます。
穴を隠したまま穴あけパンチを穴の上に持ってきて、穴を空けたふりをします。
穴あけパンチをどかし、穴が空いていることを示します。
穴あけパンチを脇に置くと同時に、テーブルの物陰に置いてある小さな黒い紙を右手の親指でつまんで密かに持ってきます。
黒い紙をつまんだまま右手をカードの上に持っていき、黒い紙をカードの上に乗せます。
紙の上からは親指を被せ、観客に見えないように注意しましょう。
黒い紙をおさえたまま右手の親指を穴の上に持っていき、密かに蓋を閉じて穴を塞いでしまいます。
穴を塞いだら右手の親指をサイドに沿ってスライドさせ、穴が消えていることを示します。
真ん中あたりで指を止め、黒い紙をカードの上に残したまま親指をどけます。
黒いクロースアップマットの上で見せると、先入観もあり観客にはまるで穴が空いているように見えます。
再度親指を黒い紙の上に乗せて下に動かしていき、あらかじめ空けておいたもう一つの穴の上で止めます。
親指と人差し指を使って蓋を開き、穴が空いた状態にして親指をどけます。
このとき、黒い紙も親指でつまんで一緒に持っていってしまいます。
観客が穴に注目している間に黒い紙は地面に落とすなどして処理してしまいます。
完全に穴が空いていることを示してマジックは終了です。
カードに空いた穴の移動マジックのポイント
カードの裏面模様に合わせて穴を空ける
カードに空ける穴の位置は割と重要で、できるだけ目立たないようにする必要があります。
穴を塞いでいる状態でも若干丸い線が見えてしまうため、模様に沿う形で空けるようにしましょう。
バイスクルのような裏面模様が細かいトランプを使うとより目立たなくなるのでおすすめです。
黒い紙が指にくっつかない工夫を
指が湿っていると黒い紙が親指にくっついてしまい、カードの上に置いてくることが難しくなります。
そのような場合は演じる際に親指であまり強い圧力をかけないようにするなどして演じ方を工夫する必要がありますが、それでも駄目な場合は黒い紙とカードの吸着力を上げるのがおすすめです。
あらかじめマジシャンズワックスを黒い紙の片面に微量塗っておくことでカードと紙がくっつきやすくなり、指にはくっついてこなくなります。
その際はマジシャンズワックスを塗った面を間違えないように注意しましょう。
あらかじめすり替え用カードを用意しておくと吉
このマジックの最大の欠点は演技前、演技後にカードを手渡しして調べさせることができない点です。
しかし演じ終わった後、観客は必ず「カードを見せてほしい」と言ってくるでしょう。
あらかじめ同じカードの一部に本当に穴を空けたカードをポケットに用意しておくとそのような要望にも切り返すことができます。
演技が終わったら仕掛けのあるカードをポケットに一旦しまい、「あ、よければプレゼントしましょうか?」などと言ってすり替え用のカードを取り出して渡してしまえばOKです。
まとめ
本記事ではカードに空いた穴の移動マジックのやり方について解説しました。
準備はやや大変で汎用性が高いとは言えませんがゼロ距離で見せることができるので、レストランなどで客のテーブルを回って演じるテーブルホップマジックなどに向いています。
準備しておいたすり替え用カードを渡せば観客にも思い出になるので、ここぞという時に重宝するマジックです。