カードパームとは?
カードパームとは観客にばれないよう密かに手の中にトランプを隠し持つことです。
勇気のいるテクニックではありますが、自信持って使えるようになれば様々なマジックに活用することができます。
「手の中にタネを持っておく」というプレッシャーから敬遠する人の多いテクニックではありますが、ミスディレクションと組み合わせるなどしてコツさえ使えば意外なほどばれないのも事実。
パームによって起こせる現象のインパクトは非常に強いので使わないのは損です。
ぜひ練習して使えるようにしておくことをおすすめします。
カードパームのやり方
フロントパーム
フロントパームとは手の平側にカードを隠すテクニックで、最もオーソドックスなパームの方法です。
手が大きいほうが有利であることには間違いありませんが、うまくカードを曲げることができれば手が小さくても使用することができます。
観客側から見ると右手には何も持っていないように見え、右手はほとんど自由に動かすことができます。
しかし実際にはカードが隠されています。
パームをする時は親指の付け根と小指の2点だけでカードを保持し、他の指には決して力を入れずに楽な状態にしておきます。
パームしたときに親指がピンと伸びてしまうと非常に不自然で観客は注目します。
無理に手のひらを伸ばす必要はないので、鏡を見てできるだけ自然な形になるよう研究してみてください。
トップパームのやり方
トップパームとはデックのトップにあるカードをフロントパームするテクニックです。
自然なフロントパームができるようになったら挑戦してみてください。
デックを左手にディーリングポジションに持ち、右手をビドルポジションでかけます。
この時通常のビドルポジションよりも各指が深めにかかっており、人差し指が伸ばされた状態でデックの左上コーナー付近に来ている点に注意してください。
左手親指をトップに当てたまま伸ばすことにより、トップカードを右側へずらします。
すると右手の中指を軸にトップカードが反時計回りに回転します。
トップカードの右上コーナーが右手の小指に当たったら小指に力を入れてカードを押し下げます。
するとトップカードが曲がって右手の平の中に入ってきます。
そのまま右手親指の付け根にも力を入れてトップカードを曲げ、小指と親指付け根の2点で保持してパームします。
右手をデックから離してパームは完了です。
ギャンブラーズパーム
ギャンブラーズパームとは賭博師達に好んで使われたパームで、角度に強いことが特徴です。
左手はリラックスしてテーブルの上に置いた状態で使うパームで、前方180度が手で隠され全て観客の死角になっています。
カードは斜めになって左手の下の方に保持されており、下半分は左手からはみ出ています。
中指の第二関節辺りと親指の付け根の2点でカードの上エンドを曲げるようにして持っています。
本当に見えていないのかと不安に思われることも多いかと思いますが、正しくやれば余程上から覗き込まれないような限り観客から見えることがありません。
観客から見えない角度と自然な手の形については必ず鏡を用いて確認しておきましょう。
ギャンブラーズボトムパームのやり方
ギャンブラーズボトムパームとはデックを持った状態でボトムカードをギャンブラーズパームするテクニックです。
デックを左手にディーリングポジションで持ち、右手をビドルポジションでかけます。
デックを揃える仕草をしながらデックを左手の下の方にずらして、ボトムカードの右上コーナーが左手の中指に当たるようにします。
そのまま左手の中指をボトムカードに押し当てて曲げることによって、カードを手の中に入れてしまいギャンブラーズパームの位置で保持します。
すぐにボトムカードを除くデック全体を前に出してディーリングポジションに持ち直します。
バックパーム
バックパームとは手の甲にカードを隠すテクニックです。
完全に手の平を見せられるので、本当に何も持っていないように見せられます。
何もないところからカードを出したり、消したりといったフラリッシュ的な使われ方をすることが多いです。
バックパームのやり方については以下記事で詳しく解説しています。
パームのコツ
何も持っていないときの手の状態に近づける
パームを練習する際はまず何も持っていないときの自然な手の状態を鏡でよく観察し、パームした状態でできるだけ手の形を近づけられるようにしていきましょう。
自然な手の形がわかったら徹底的に手に覚えさせます。
またパームしているときの動きがぎこちなるようではいけません。
軽くものを取ったり、簡単なカードの扱い程度であればパームしたまま自然にできるように練習していきましょう。
可能であれば常にパームしたままの状態で日常生活をしてみると上達は早くなります。
ミスディレクションを活用する
パームはカードが完全に隠れているので基本的には凝視されてもバレることはありませんが、手に意識が向かないように注意します。
「完璧なパームは手の中にに何かがある、という疑問すら観客には浮かばないもの」という言葉があります。
どんなに自然に、かつ全く見えずに隠せていても、「パームしているのだろうが完璧で全然見えない」と観客の誰かに認知された状態で完璧とは言えません。
ミスディレクションなどで注意をそらし、そのマジックの中でパームが使われたことすら想像させないのがパームの目指すべきところです。
まずは積極的に使ってみる
パームは実際のマジックで使ってみるとなると非常に心理的なハードルが高く、敬遠する人の多い技法の一つです。
しかしパームに対する恐怖心はパームを使ったマジックを成功させることでしか克服されません。
一般の観客にとっては手の中にカードが隠されているというのは想像の範囲外であり、ばれることはそうそうありません。
パームを使って起こせる現象のインパクトは非常に強いので使わないのは非常にもったいないです。
まずは思い切って使ってみてください。
まとめ
本記事ではパームの種類とやり方について解説しました。
パームを使ったマジックは他のマジックとは一味違った意外性を出せるものも多く、恐怖心を乗り越えたときのリターンは確実に大きいです。
よく練習して是非マジックに取り入れてみてください。