あなたはマジック・手品をしていてこのような人に出会ったことはありませんか?
・マジックを見破ろうとする人。
・あえてカードを変なところから取る人。
・「そのタネ知ってる!」と言ってくる人。
マジシャンからしてみるとこのような観客にはマジックをしたくありませんよね。
このような観客がいるだけで全てのマジックが台無しになってしまうかもしれません。
素直にマジックを見てくれない上に、周りの空気を読まずにこのような事をされるとマジシャンからしてみれば本当に困りものでしょう。
しかし、そうなってしまう本当の原因はお客様でなく、マジシャン側にあります。
なぜマジックを見せている時、観客は反抗的になるのか?
あなたはマジックを行うときにただ凄い現象を起こして、お客様が驚いて終わり。
この繰り返しにしていませんでしょうか?
マジックは「お客様を楽しませるもの」です。
不思議な事が起きても、そればかりの繰り返しではお客様も飽きてしまいます。
飽きるだけならまだしも、マジシャンが得意げな顔をしていたら観客はいい気持ちがしないでしょう。
やがて観客の気持ちは
「このマジシャンを負かしてやろう」
「タネを見破ってやろう」
と反抗的な気持ちになっていきます。
結果、マジシャンとしても演じにくい雰囲気になり、お客様もマジックを楽しもうという気持ちではなくなってしまいます。
一度こうなってしまったら終わりです。
パフォーマンスが終わるまであなたはずっとこの空気に耐え、見破ろうとする観客の目を恐れ、何をしだすかわからない観客にカードを預けなければならないのです。
どうすれば観客は反抗的にならないのか
一つマジシャンにとって重要な大原則があります。
「絶対にドヤ顔をしない」
これだけは絶対に守ってください。
マジックが終わった後ドヤ顔をされて気持ちのいい観客なんていません。
マジックはマジシャンが楽しみ、気持ちよくなるためのものではありません。
お客様に楽しんで頂くためにやっている。これが大前提です。
プロマジシャンはこれを徹底しているからお客様は楽しんで帰っていきます。
例えばTVでもおなじみのムッシュ・ピエールさん、
彼はマジックのテクニックは素晴らしいですが、決してそれを出さずにおどけたキャラクターで受けています。
マジックが終わった後で拍手が起きても
「練習しました!!」
と言って嫌味なく笑いを取ります。
国民的カーディシャンの前田知洋さんも決してドヤ顔をしません。
前田さんはマジックで驚くべき事が起きる時必ず、あたかも自分が騙されたかのように不思議そうな顔をします。
観客と一緒に驚いている事を演じています。
ふじいあきらさんはどうでしょう。
ふじいさんは日本のトランプマジック界では頂点に君臨するとも言われ、「神業」にふさわしいテクニックを持つ方なのですが、一般の方はそれを知らない方が多いでしょう。
彼は「観客を楽しませる」事をモットーにしている為、常に笑顔で、面白いマジックもよく行います。
テクニックを誇示する嫌味な所が全くないのです。
このように、観客を楽しませよう、という気持ちで行うマジックは観客側にも伝わってきます。
「見破ろう」という気が起きなくなるのです。
決してドヤ顔をせず、観客と一緒に楽しむ。この気持ちを相手に伝える事ができれば反抗的なお客様はいなくなるでしょう。
では具体的にはどのようなマジックをすれば良いのでしょうか?
観客と一緒にマジックを楽しむ方法
1.笑いを取り入れる
マジックの随所に笑いを取り入れましょう。
トークで笑いをとる自信がなければマジックの力を借りる事もできます。
ふじいさんのように口からトランプを出しても良いでしょう。
また、随所に取り入れる事が難しければ、マジックの最初だけでも観客を笑わせるような小ネタを仕込むことによって観客との距離は縮まります。
2.観客と一緒にマジックをする
例えば、お客様をマジックに参加させ、
・お客様にカードを当てさせる
・お客様が念じるとコインが消える
このような要素、演出を取り入れる事も効果的です。
お客様はなぜかわからないけど自分がマジックをしているので、見破るという概念はありません。
さらにそこで「凄いですね!」と褒め殺してあげれば悪い気のする人はいないでしょう。
3.自分も笑顔を絶やさない
最後は自分自身が楽しそうにする事です。
人は笑顔の人を見ると自然に笑顔が出てくると言います。
よほどシリアスなマジックでもなければ、単純に笑顔を絶やさないようにしましょう。
楽しい空間、雰囲気から作る事も一流マジシャンの仕事です。
空間づくりが最も重要
タネを見破ろうとする人にはそれだけの理由があります。
また、そのような人がいるとマジシャン側も非常にやりにくくお互いに良い事がありません。
まずはマジックのテクニックや演技でなく、それ以外の部分
「どうしたら観客は楽しいのか?」
に焦点を当てて考えてみてください。
そうすればおのずと観客と一緒に楽しめる空間の作り方が見えてくると思います。