エルムズレイカウントとは
本記事では「4枚を4枚に数えるフォールスカウント」とも呼ばれる技法、「エルムズレイカウント」について解説していきます。
このテクニックを使うことにより、一部のカードだけを観客に見せることなくカードを全部見せたように思わせることができます。
数あるカウント系のテクニックの中でも最も基本となるテクニックの一つです。
特にパケットトリックにおいては必須とも言えるほど重要な技法なので必ず押さえておきましょう。
カウントには慣れが必要ですが、それほど難しいテクニックではないので練習して体に動きを覚えさせてしまうことをおすすめします。
エルムズレイカウントのやり方
例として、4枚あるカードのうち赤裏のカードのみ観客に見せないようにしてカウントしていきます。
※カードの動きをわかりやすくする目的で、パケットの上からA、B、C、Dとしています。
観客に見せたくないカードをボトムから2枚目の位置に持っておきます。
パケットを揃えて右手の親指、人指し指、中指で右下コーナー部分を持ちます。
左手を近づけてパケットを掴み、左手親指でトップカードを引いて取りながら「1枚」と数えます。
再度左手を右手のパケットに近づけて左手のカードの上に新たにトップカードを取りに行こうとしますが、左手が近づいてきたら右手親指でトップから2枚のカードをまとめて左斜め前に押し出します。
人差し指と中指でボトムカードのフェイスを押さえたまま右親指を上から強めに押さえて押し出すことで、2枚同時に押し出すことができます。
左手のカードが右手のパケットの下に入る瞬間、左手のカードを右手のパケットのボトムカードに取ってしまいます。
これは右手の人差指、中指とパケットの間に左手のカードを滑り込ませる事によって簡単に取ることができます。
左手の1枚のカードをボトムに入れると同時に左手は押し出された2枚のカードを手に取り、「2枚」と数えます。
今の動きでAのカードが右手のパケットのボトムに、B、Cのカードが重なったまま左手にある状態になります。
続いて左手を右手に近づけ、3枚目、4枚目のカードは普通に左手に取っていきます。
赤いカードを一切見せることなく4枚のカードを数えることができました。
エルムズレイカウントのポイント
カウントのテンポは一定に
最初から最後までカウントのテンポは一定になるようにし、決して途中で早くなったり遅くなったり途切れたりしないようにしてください。
最初は2枚目のカウントが難しいのでテンポが崩れてしまいがちですが、テンポがずれると相手からは怪しく映ってしまいます。
無理に早くカウントする必要はありません。
ゆっくりでもいいのでテンポを崩さないことをしっかり意識してカウントを行っていきましょう。
2枚のカードはずれないように
2枚のカードをまとめてとる際はずれてしまわないように注意が必要です。
他のカードは左手親指で引くようにして左手に取っていきますが、2枚のカードは同様に取ろうとするとずれやすくなります。
そのためまとめて押し出した2枚のカードを左手親指の付け根と人差し指の付け根の間で挟むように受け取るとずれずに数えることができます。
とはいえダブルリフトなどと異なり、手全体の動きが伴う動作なので多少ずれたくらいでは観客には気づかれません。
思い切って数えていきましょう。
5枚以上のカードを4枚に見せて数えることも可能
エルムズレイカウントを用いることで、5枚や6枚といった枚数のカードであっても一部を見せずに4枚に数えることができます。
方法は通常のエルムズレイカウント同様に、2枚目のカードを数える際にボトムカードより上の3枚や4枚のカードをまとめて押し出して1枚として数えるだけです。
すばやくやればカードの厚みも相手に気づかれません。
他のカウント技法であってもエルムズレイカウントを応用したものは多くあります。
パケットトリックをするのであればまずはひたすらエルムズレイカウントを練習してみてください。
まとめ
本記事ではエルムズレイカウントのやり方について解説しました。
エルムズレイカウントは一見することも多く、難しいように思われますが練習すれば意外なほど早く身につくかと思います。
利用できるマジックの幅は広く、早い段階で習得すべきテクニックの一つです。
是非練習して実際のマジックに活かしてみてください。