概要
エレベーター・カード
難易度 | |
汎用性 | |
インパクト |
現象
3枚のカードをテーブルの上に並べます。
そのうち1枚の上に一組のデックを重ね、指を鳴らすと一番上まで上がってきます。
続いて次のカードはデックの一番上に重ねておまじないをかけると一番下に下がってきます。
最後のカードは中程に入れて指を鳴らすと一番上から出てきます。
マジックの特徴
- カードが上へ下へと移動を繰り返す、面白い現象
- 不思議さに反して簡単な技法のみで演じられる
- 準備不要、即席で演じられる
実演
- 実演
マジシャン やまさきそら
京都が世界に誇るエンターテイメント「ギア」に最年少デビューし、レギュラー出演中。
現在は、各種イベントや飲食店でマジックを披露する他、幅広い層を対象にしたワークショップ指導、物語を伴ったオリジナリティ溢れるマジックの創作など、多方面で精力的に活動中。
簡単な上にインパクトある現象の傑作カードマジックです。
基本的なテクニックのみで演じられるため、カードマジック初心者の方には特におすすめのマジックです。
準備不要、囲まれていてもOK、タネが残らないと優秀な点が多いマジックで、どのような場でも演じられます。
カードマジックを初めて間もない方はぜひレパートリーに加えてみてください。
解説
解説動画
事前準備
このマジックで使うテクニック
準備するもの
- 特になし
1組のデックからあらかじめスペードのエース、スペードの2、スペードの3の3枚のカードを取り出してテーブルの上に置いておきます。
演技
1組のデックを左手にディーリングポジションで持った状態でマジックを始めます。
「これら3枚のカードを使ったマジックをお見せしましょう」などと話しながら、左手のデックの一番上のカード(トップカード)の下に左手の小指でブレイク(隙間)を作ります。
左手の親指でさりげなくトップカードを少しずらし、戻しながら小指を挟むことによってブレイクを作りましょう。
基本テクニック
テーブルの上の3枚のカードを右手で取り上げ、表向きのまま左手のデックの上に重ねます。
動きを止めずに、ブレイクより上の4枚のカードをまとめて右手で取り上げます。
スムーズに行うと観客からは単に3枚のカードを揃えて右手に取っただけのように見えます。
右手に持った4枚のカードのうち一番上のカードを左手の親指で押さえ、右手を引きます。
すると左手のカードの上に少しずれた状態でスペードの2を取ることができます。
「1枚目がスペードのエース…」と言いながら右手に持ったカードでスペードのエースをひっくり返し、右手のカードのボトム(一番下)に取ります。
取ったら右手を返してスペードのエースを観客に示します。
「次がスペードの2…」と言いながら、先程と同様に右手のトップカードをずらして取り、ひっくり返してボトムに回します。
右手を返してスペードの2を観客に示します。
「最後がスペードの3です」と言いながらスペードの3もひっくり返してボトムに回し、右手を返して観客に示します。
観客からは上からスペードのエース、2、3の3枚のカードを持っているように見えますが、実際には上から適当なカード、スペードのエース、2、3の4枚のカードを持っています。
<実際の状態>
右手のカードは全て左手のデックのトップに重ねます。
続いて「1・2・3」と言いながらトップから3枚のカードをテーブルの左から右に1枚ずつ配ります。
観客は左から順にスペードの1〜3があると思っていますが、実際にはずれるようにしてすり替わっています。
マジシャンから見てテーブルの上の一番右のカードの上に左手のデックをそのまま重ね、おまじないをかけるような仕草をします。
トップカードを表向きにしてカードが上がってきていることを示します。
次にテーブルの上の中央にあるカードを裏向きのまま取り上げ、デックのトップに重ねます。
カードを上から下に弾いていくような仕草を行ってからボトムカードを抜き出して観客に見せ、一番下に移動していることを示します。
最後に残った裏向きのカードを取り上げ、裏向きのままデックの中ほどに入れてしまいます。
指を鳴らすなどの仕草をしてからトップカードを表向きにし、一番上に上がってきていることを示してマジックは終了です。
エレベーター・カードのポイント
ブレイクを作るときには注意をそらしながら
マジックの冒頭で、トップカードの下に小指でブレイクを作る必要があります。
小さな動きではありますが、黙って行うと観客からは怪しい動作に見えてしまう事があります。
「3枚のスペードのカードを使ったマジックをしましょう」などと言ってテーブルの上のカードを指差すなどしてミスディレクション(注意を逸らす)をかけながらブレイクを作ると良いでしょう。
ブレイクはカードマジックにおける超基本テクニックなので、初めて知った方は他のマジックでも同じように注意を逸しながら行うことを心がけてみてください。
カードを裏返しながらボトムに回す部分だけ要練習
テクニックではないものの、右手に持ったカードのトップカードを一枚ずつボトムに回していく動きは慣れないとカードを落としてしまいやすいです。
カードを落として4枚あることがバレてしまえばマジックそのものが失敗してしまいます。
特に秘密の動きをするわけでは無いので、ゆっくりと丁寧に行うようにするとよいでしょう。
1、2、3と数えながらカードを配る
テーブルの上にカードを配る際ですが、裏向きなので観客がどれがどのカードだったのか忘れてしまう恐れがあります。
カードを忘れられてしまっては驚きも半減してしまします。
そのためカードを配るときには必ず「スペードの1、2、3、、」と数えて念押ししながら行うようにしましょう。
まとめ
本記事ではどこでも使えてインパクトも強い傑作マジック「エレベーター・カード」のやり方を紹介しました。
ブレイクなどの基本テクニックだけで行えるので、初心者の方でも多少練習すればすぐに演じられるようになるでしょう。
似たような現象でより強烈なインパクトの傑作マジックに「アンビシャスカード」があります。
こちらは難易度が上がりますが、マスターすればいつでも誰に対してでも奇跡を演じられる素晴らしいマジックなので、興味がある方はぜひこちらも練習してみてください。